仮説④

仮説④

 

 アンケート結果から「ガスが溜まる」という回答が25件と半数を超えることがわかりました。

 ガスが溜まる原因は下記のサイトによると以下のようなものがあります。

ガスが関係する愁訴 - 01. 消化管疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

 大まかに分けて2つが考えられます。1つは腹部膨隆、もう1つは過度の放屁です。

 まず、腹部膨隆についてです。腹部膨隆は、腸内の過剰なガスと明確な関連は見られませんが、多くの症状は腸内の過剰なガスが原因とされている可能性が高いことが示唆されています。また、ガス関連の症状の基本は腸管の過敏性である場合があり、運動異常がさらに症状に寄与することもあるとしています。

 この腹部膨隆の原因は、機能性疾患と器質的疾患があるとされています。機能性疾患には、空気嚥下症、機能性ディスペプシア、胃不全麻痺、過敏性腸症候群があり、器質的疾患には、卵巣がん、結腸がんが考えられています。これらの疾患が単独または他の消化管の症状との合併で発生すると考えられています。

 

腹部膨隆

機能性疾患

空気嚥下症

空気嚥下症は、大量の空気を呑み込むことによって、消化管に空気がたまり、ゲップや腹部膨満感、ガスなどだけでなく、胸焼けや上腹部痛などの症状が起こることを言います。この1番の原因はストレスと言われています。詳しくは省略しますが、以下のサイトをご参考ください。

ゲップやガスは「呑気症」のサイン!|オムロン ヘルスケア

 

機能性ディスペプシ

機能性ディスペプシアとは、症状の原因となる器質的、全身性、代謝性疾患がないのにもかかわらず、慢性的に心窩部痛や胃もたれなどの心窩部を中心とする腹部症状を呈する疾患と定義されています。つまり、病気のようなものは見つからないけれども腹部に不快な症状があらわれるということです。原因と考えられるものは、いくつかあるようです。胃排出の異常と胃適応性弛緩の異常、胃・十二指腸の知覚過敏、心理的要因、胃酸が原因となる場合、ヘリコバクター・ピロリ感染、遺伝的要因、サルモネラ感染など感染性胃腸炎にかかった人、アルコール、喫煙、不眠などの生活習慣の乱れ、胃の形態、これらの原因がいくつか重なって発生すると考えられています。詳細は以下のサイトをご覧ください。

機能性ディスペプシア(FD)ガイド|患者さんとご家族のためのガイド|日本消化器病学会ガイドライン

 

胃不全麻痺

胃不全麻痺とは,幽門狭窄などの構造的に閉鎖する原因のことがないにもかかわらず、胃から排出が遅くなる病態のことを言います。主に胃切除後や糖尿病の合併症として発生するようです。また、原因の明らかでないものもあり、最近の米国からの報告では,原因不明の胃不全麻痺と糖尿病性の胃不全麻痺の両者とも,胃の神経線維やカハール介在細胞の減少,炎症細胞浸潤などの器質的変化が共通して認められることが明らかにされています。つまり、細胞レベルで変化が起き、正常に作動しないようになっているということです

機能性ディスペプシア,胃アトニー,胃不全麻痺の病態および治療薬の効果の違い|Web医事新報|日本医事新報社

 

過敏性腸炎

過敏性腸炎とは、腸が精神的ストレスや自律神経失調などの原因で刺激に対して過敏な状態になり、便通異常を起こす病気です。この原因は、ストレスであったり、暴飲暴食や過度の飲酒、不規則な生活などによることが多く、自律神経失調症の場合もあります。

過敏性腸症候群 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

 

器質的疾患

器質的疾患には、卵巣がん、結腸がんなどがあり、原因が明らかなため人間ドック等によって明らかになるかと思いますので、省略させていただきます。

 

過度の放屁

次は、過度の放屁についてです。放屁は、腸内細菌の代謝副産物で、嚥下された空気、循環血流からのガスの逆拡散に由来するものではありません。その構成される成分は大まかに水素、メタン、二酸化炭素となりますが、その中でも水素に関しては消化の悪い炭水化物、糖類、糖アルコールを含む特定の果物及び野菜を摂取したときに大量に産生されます。また、二糖類分解酵素欠損症(ラクターゼ欠乏症など)患者では,大量の二糖類が大腸に移行し,発酵して水素が発生します。大腸ガスが過剰になっている場合は、セリアック病、熱帯性スプルー、膵機能不全、炭水化物吸収不良の他の原因の可能性もあります。

 セリアック病とは、小麦や大麦、ライ麦に含まれるタンパク質のグルテンに対する遺伝性の不耐症であり、小腸の粘膜が損傷し、絨毛を平坦にし、その結果表面が滑らかになることで、栄養素の吸収不良が生じます。ただし、グルテン自体が小腸を傷つけているわけではないようです。

セリアック病 - 03. 消化器の病気 - MSDマニュアル家庭版

 熱帯性スプルー、膵機能不全については原因が明らかになっておらず、考えられる因子程度のことですので、気になる方は以下のサイトをご参照ください。

熱帯性スプルー - 01. 消化管疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

慢性膵炎 - 01. 消化管疾患 - MSDマニュアル プロフェッショナル版

 

 

仮説③

仮説③

 

アンケート結果から得られた情報によりますと「精神的に不安定である」という項目も37件と半数以上にのぼります。また、精神的に不安定であるとは、言い換えると情緒不安定とも言えます。情緒不安定は精神疾患・身体疾患などの一症状としてあらわれることもあり、その要因には、身体的なものと精神的なものの2つがあります。

情緒不安定なときはどうすればいい?原因や診断、対処法などを解説します - LITALICO仕事ナビ

身体的な要因

身体的要因には以下のものが考えられています。甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、低血糖症、睡眠不足などの生活習慣、生理・妊娠や出産に伴うホルモンバランスの変化、カフェインやニコチン、アルコールなどの物質の作用、などです。原因は以下に記述しています。

 

甲状腺機能亢進症(バセドウ病

バセドウ病甲状腺機能亢進症を起こす代表的な病気で、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されることで、動悸や息切れ、手足の震え、疲れやすさやだるさなどさまざまな全身症状が起こります。新陳代謝が活発になりすぎることで常に運動しているような状態になり体が消耗していくような症状です。バセドウ病は自己免疫疾患で原因が何か明らかにはなっていません。

一般の皆様へ|一般の皆様へ|日本内分泌学会

 

低血糖症

低血糖とは、血液中のブドウ糖の濃度(血糖値)が異常に下がることによって、軽度な低血糖では、発汗、不安、頻脈、手や指の震え、顔面蒼白などの交感神経刺激症状が、少し進むと、頭痛、目のかすみ、集中力低下、生あくびなど中枢神経の症状が出始め、さらに低下して重症になると、異常な行動、痙攣、意識が遠くなる、刺激昏睡(意識消失)など、命にもかかわるような深刻な症状が出てきます。その症状の原因は、ほとんどが糖尿病の患者の血糖を下げる薬の効きすぎによるものです。まれに、膵臓インスリン産生細胞の腫瘍、下垂体や副腎のホルモン分泌が低下する病気(アジソン病など)、肝疾患で肝臓がブドウ糖をグリコーゲンとして蓄えられなくなった場合、肥満外科手術の術後、糖代謝異常症などによって引き起こされることがあります。

低血糖(低血糖症)とは(症状・原因・治療など)|ドクターズ・ファイル

 

睡眠不足などの生活習慣

生理、妊娠や出産に伴うホルモンバランスの変化

カフェインやニコチン、アルコールなどの物質の作用

   
精神的な要因

精神的要因には以下のものが考えられています。しかし、どの症状もその原因は明らかになっておらず、示唆されている要因はストレス、遺伝的・精神的気質によるものです。

うつ病

うつ病|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省

不安障害

不安症の概要 - 10. 心の健康問題 - MSDマニュアル家庭版

双極性障害

双極性障害 - 10. 心の健康問題 - MSDマニュアル家庭版

統合失調症

統合失調症 - 10. 心の健康問題 - MSDマニュアル家庭版

パーソナリティ障害

パーソナリティ障害の概要 - 10. 心の健康問題 - MSDマニュアル家庭版

自律神経失調症

自律神経失調症 | e-ヘルスネット(厚生労働省)

ストレスに対する反応
不安な感情の表出

 

結論としては、「精神的に不安定である」に関する仮説は立てられません。その要因となるものも原因がほとんど明らかになっていないものも多く、病気によって発症するものであれば病院での診断で明らかになるかと思います。また、ストレスが関わっていることが示唆されていますが、ストレス自体が複雑に絡み合って発症するようですので、これによってPATMが発症するのか、はたまたPATMによってこの精神問題が発生しているのか因果関係がわかりません。

仮説②

通説によるアンケートから見えるもの

 

 アンケート結果から得られた情報によりますと「気力が湧かない」という項目も33件と半数以上にのぼります。では、気力が湧かなくなる原因とは何なのでしょうか。

無気力な状態が続く…抜け出すヒントとは? – 心療内科・メンタルクリニック・精神科|神楽坂こころのクリニック|東京都新宿区|最寄駅は神楽坂・飯田橋

によれば、「過度なストレスや疲労、自分にとって好ましくない環境が続くと神経伝達物質のバランスが乱れ、さまざまな精神・身体症状を引き起こします。」とあり、原因として以下のようなものを挙げています。

無気力症候群として現れるもの

病気として現れるもの

 

 

 また、「精神的に不安定である」という項目も37件と半数以上にのぼります。精神的に不安定であるとは、言い換えると情緒不安定とも言えます。

情緒不安定なときはどうすればいい?原因や診断、対処法などを解説します - LITALICO仕事ナビ

によると、情緒不安定は精神疾患・身体疾患などの一症状としてあらわれることもあり、その要因には、身体的なものと精神的なものの2つがあるとしています。

身体的な要因

  • 甲状腺機能亢進症(バセドウ病
  • 低血糖症
  • 睡眠不足などの生活習慣
    生理、妊娠や出産に伴うホルモンバランスの変化
  • カフェインやニコチン、アルコールなどの物質の作用 

精神的な要因

 

 今回は、参考にできる論文がなく、通説としてでしかあげることはできませんでした。今回の内容から考えられることは、気力や精神状態はPATM症状があらわれる直接的な要因とはなりえないようです。つまり、気力や精神状態についてはPATMによって、またはPATMになる原因のストレスによって引き起こされていると考えたほうが自然です。ですから、今回は仮説の作成には至りませんでした。

 

次回に続きます。

仮説①

仮説①:過労が1つの要因ではないか?

 

 漢方医学の病態を診断する上で、体調や症状についてのアンケート取りました。病態に関する仮説は、後日記載させていただきますが、気になる点として「すぐに疲れる」「記憶や集中力が落ちている」「疲れやすい」「体がだるい」といった疲労に関する内容がそれぞれ49件中、40件、33件、39件、29件と半数を超える件数確認されました。

 疲労のメカニズムに関しては、近年明らかになってきており、渡辺恭良M.D., Ph.D.は(疲労の科学・脳科学と抗疲労製品の開発)の中で、疲労は、運動性疲労であれ精神作業性疲労であれ、筋肉細胞、神経細胞の過活動による生体酸化、すなわち、必要な酸素供給−呼吸に付随して過剰産生される酸素ラジカルを生体還元系の処理が間に合わず、重要なタンパクや脂質などが酸化される。それらによって、細胞そのものや重要な細胞内オルガネラや部品が傷み、その障害を感知した免疫系細胞が免疫サイトカインというシグナルを脳神経系・内分泌系などに送り、修復を試みる。この際に、修復エネルギーが十分でないと、疲労が遷延する。」と述べています。つまり、細胞のオーバーワークによって傷ついた細胞を修復するエネルギーが足りていないと疲労が長引くということです。また、妙録には疲労度に応じて、①副交感神経系の機能低下、②酸化の進行と抗酸化能の低下、③修復エネルギー産生の低下、④免疫サイトカインの亢進とサイトカインによる炎症と神経伝達機能抑制、が疲労の分子メカニズムであり、慢性疲労に至るメカニズムでもある」と述べています。ここにおける疲労の定義は「作業能率や作業効率が統計的に有意に低下した状態」と定義されています。

 ここから考えられることは、PATM症状がある方は、身体的または精神的なストレスによって、上述されたようなメカニズムが起こり、慢性的な疲労状態にあるのではないか、またその過程にPATMの原因があるのではないかということです。

 よって、過労がPATM症状に至る要因になっているのではないでしょうか。

 

 仮説②は、また後日挙げさせていただきます。

PATM予備調査の結果

先行聴き取り調査

 

 アンケートを作成するために先んじて聴き取り調査を行わせていただきました。

 まず、PATM発症のきっかけと思われるものには、会社や学校でのストレス、手術によるものが聞き取れました。ただ、健康的な生活を行っており、心当たりがないという回答もあり原因を考える上で断定できるようなものはありませんでした。

 また、日々の生活や体質についても質問しました。睡眠時間や食生活、体調の変化、漢方における体質など。興味深いことに人間ドックでもなんの異常もなかったということも聞き取れました。また、リーキーガット症候群が原因ではないかと考える人も多くいましたが、現在学術的にもわかっていることはPATM患者の皮膚ガスからトルエンが検出されたくらいで、西洋医学ではまだ解明できないところにPATMの原因があるのではないかと考えています。

 そこで私が以前から目をつけていた東洋医学からアプローチできないかと考えました。東洋医学中医学漢方医学とありますが、今回は漢方医学に着目をしています。

 それぞれの分野で処方する薬である西洋薬と漢方薬では目的が異なります。西洋薬では症状をコントロールして重症化を防ぎ、進行を抑える、また原因となる菌や細胞を攻撃して改善させることが目的に対し、漢方薬は原因を究明し、それに基づき内蔵機能を正すことで根本改善を促すことを目的としています。

 私は内蔵機能を正すことで、PATM改善のヒントが得られるのではないかと考えています。

 

アンケート方法について

 

 今回のアンケートでは、漢方薬における体質(今後は病態と記述します。)に関する質問を中心に、聴き取り調査を行った結果を元に作成しました。アンケート調査の方法についてはTwitterにおけるPATM症状がある方を対象に回答してもらいました。

 アンケートの内容については大きく2つです。病態に関する内容と生活習慣に関する内容です。

 病態に関する内容は、どの病態が当てはまるのかを診るために日頃の症状をお聞きしています。基本的に病態は6つの病態に分けられますが、複数の病態が複合して現れることもままあります。病態は以下の6つです。気虚気滞血虚、瘀血、陰虚痰湿とあります。この内容については後述いたします。

 また、生活習慣に関する内容は、睡眠、運動、食事について質問しています。

 睡眠時間については聞き取り調査で健康的な水準のものや極端に少ないものもあり、PATMに本当に関わるものなのか確認するためにアンケートに加えました。

 また、運動については聞き取り調査においてアスリートのような生活を送っていた方もいらっしゃったため、ストレスとして関わりがあるのか、また反対に運動不足による疾患と関わりがあるのかを確認するためにアンケートに加えております。

 次に食事については「ジャンクフードをよく食べていた」、「栄養バランスの極端に偏ったもの」、「バランスの良い食事を1日3食食べていた」という回答があり、それぞれ関連性が見えにくい回答でしたので、広く意見を集めました。

 

アンケート結果について

 

 今回のアンケートではPATM症状のある方49名にご協力いただけました。この場を借りてご協力いただきましたことを深く感謝いたします。

 

  • 漢方の病態に関する質問について

気虚

 まず、気虚に関する質問についての結果です。質問の内容は「当てはまる選択肢を複数ご選択ください。」というものです。

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図1:気虚に関する質問

 気虚とは、心身ともに元気不足状態のことを言います。脾(消化器系の総称)や肺の働きがストレスや疲労、病気などの原因によって妨げられ、低下することでその状態が慢性化した状態です。脾とは膵臓のような働きをすると考えられている消化器系を総称するような臓腑のことを指しています。食事で取り入れた栄養を脾で消化吸収し、心身を動かすエネルギーを作り出す働きを持ちます。

 今回の結果を見る限り、「すぐに疲れる」「気力が湧かない」「記憶や集中力が落ちている」に当てはまると回答した方が多数います。

 

気滞

 次に、気滞に関する質問についての結果です。同じく質問の内容は「当てはまる選択肢を複数ご選択ください。」というものです。

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図2:気滞に関する質問

 気滞とは、気が塞がり精神不安定でイライラした状態のことを言います。気とは心身を動かすためのエネルギーだと言われています。慢性的なストレスや精神的な過労を主たる原因として、気を巡らせる「肝」の働きが低下している状態です。漢方における肝とは、西洋医学でいう肝臓の働きに当たります。漢方でいう気の巡りとは西洋医学でいうところの自律神経の働きに近いものです。

 今回の結果を見ると「精神的に不安定である」というものが多数で、次いで「ガスが溜まる」というものが半数になります。

 

血虚 

 次に、血虚に関する質問についての結果です。同じく質問の内容は「当てはまる選択肢を複数ご選択ください。」というものです。

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図3:血虚に関する質問

 血虚とは、造血能力が低く、血液が不足する体質のことです。血虚の原因は様々あります。事故や大病、手術などで大量の出血、脾の機能低下や慢性的な疲労、肝の機能低下、心の機能失調などがあります。心とは心臓の機能とこころの安定の働きを持つと考えられています。

 今回の結果を見ると上記の気虚の質問と同様に「疲れやすい」というものが多数で、次いで「乾燥である」というものが半数になります。

 

瘀血

 次に、瘀血に関する質問についての結果です。同じく質問の内容は「当てはまる選択肢を複数ご選択ください。」というものです。

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図4:瘀血に関する質問

 瘀血とは、血液がドロドロで循環が不全のタイプです。遺伝や体質が原因のこともありますが、気虚血虚などの病態のほか、不眠、暴飲暴食など不規則な生活習慣が長期間続くことが原因であったりもします。

 今回の結果を見ると「肩がこりやすい」というものが半数を超えています。

 

陰虚

 次に、陰虚に関する質問についての結果です。同じく質問の内容は「当てはまる選択肢を複数ご選択ください。」というものです。

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図5:陰虚に関する質問

 陰虚とは体内のうるおいが不足しカラカラしたほてる病態です。体液が不足した状態であり、大量の発汗や慢性病により体液が消耗したことによる病態です。

 今回の結果を見ると「肌が乾燥する」というものが多いですが、半数には満たない程度です。

 

痰湿

 次に、痰湿に関する質問についての結果です。同じく質問の内容は「当てはまる選択肢を複数ご選択ください。」というものです。

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図6:痰湿に関する質問

 痰湿とは、暴飲暴食、乱れた生活習慣などにより代謝が低下し体内の水分が停滞し、それが悪性化したものでこれが毒性の高い状態で体内にとどまっている病態のことです。今回の結果を見ると「体がだるい」というものが多数でした。

 

病態

 では、病態に当てはまると思われる人数をそれぞれ以下の図のようになりました。各質問群に対して40%以上当てはまっている方をその病態に当てはまると思われるとしています。

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図7:当てはまると思われる病態の人数

 人数は、多い順に「気虚」「気滞」「血虚」「痰湿」となっています。複合して現れることもありますので、いくつかの病態を合わせ持つ人ももちろんいらっしゃいます。

 

舌診断

 次に漢方では病態を診断するために舌診断を行います。舌の状態を確認するために「舌の状態とタイプをお聞きします。以下の画像からタイプをご選択ください。」という質問をしています。画像については、著作権の問題もありますので載せられませんが、概要は以下の通りです。

 気虚タイプ「ぽってりと厚く両側に歯形の付く舌」、陽虚タイプ「気虚タイプがすすんで体が冷えているとき、血液のめぐりがわるくなり、白っぽくなる」、肝うつ気滞タイプ「舌の先が赤く、赤い点々がある」、血虚タイプ「舌の色がピンク色よりも淡くなる」、瘀血タイプ「赤紫色の舌、舌の裏の血管がボコボコ」、陰虚タイプ「舌が小さく薄い、裂け目がある」、痰湿タイプ「厚い白い苔、黄色い苔」という画像付きで選択してもらいました。

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図8:舌に関する質問

 この結果から「気虚(陽虚)タイプ」が最も多く、次いで「血虚タイプ」が多いことがわかります。ただし、回答者の1人から舌の状態に該当するものがなく気虚タイプに回答したという意見がありました。実際には気虚タイプが1名少ない結果となります。

 

  • 生活習慣について


睡眠

 続いて生活習慣についての質問です。睡眠に関しての質問です。以下の3つを質問しています。「あなたは通常どれくらいの睡眠時間をとっていますか。」「あなたは通常の就寝時間を教えてください。」「睡眠の質はどのようなものですか。」というものです。

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図9:睡眠時間についての質問

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図10:就寝時間についての質問

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図11:睡眠の質についての質問

 このアンケート結果は、睡眠時間はやや少ないと言える「4〜5時間」も14%程度で、そのほかは健康的と言われる平均睡眠時間と言われる7時間に近く、健康的な睡眠時間であります。また就寝時間も「2時〜3時」「3時以降」と比較的遅いと思われる時間でも18%程度と少ないです。睡眠の質についても不眠と思われる「あまり眠れていない」も31%程度です。半数以上は眠れているようです。

 また、以下の図は睡眠について指数化した物の人数を表したものです。指数化するにあたって、次のような計算をしています。睡眠の質を「よく眠れている」を「5」、「全然眠れていない」を「1」として段階的に数値化します。その数値と睡眠時間の積を睡眠の指数としています。例えば、睡眠時間が「6〜7時間」で睡眠の質が「普通」とした場合、7×3=21となります。

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図12:睡眠の指数における人数

 睡眠の指数については「21〜25」が最も多い結果となりました。上記の通り、通常と言える睡眠と思われます。極端に指数が低い方もいらっしゃいますが、全体の半数以下です。

 

運動

 次に運動についてです。質問の内容は「あなたは通常どれくらいの運動時間はどれぐらいですか。」「運動の質はどのようなものですか。」というものです。

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図13:運動時間についての質問

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図14: 運動の質についての質問

 このアンケート結果は、運動時間は「全くしない」というものは37%程度で、運動できているようです。また運動の質については、ほとんど3分割されるような割合で「楽である」「非常に楽である」が40%近くになりました。

 また、以下の図は運動について指数化した物の人数を表したものです。指数化するにあたって、次のような計算をしています。運動の質を「非常にきつい」を「4」、「全くしていない」を「0」として段階的に数値化します。その数値と運動時間の積を運動の指数としています。例えば、運動時間が「1時間程度」で運動の質が「楽である」とした場合、1×2=2となります。

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図15:運動指数における人数

  運動の指数については「0」が最も多い結果となりました。これは全く運動をしていない方を示しています。また、次いで多いのは「2」でした。上記の通り、通常と言える運動と思われます。極端に指数が高い方もいらっしゃいますが、全体のほんの少しです。

 

食生活

 次に食生活に関する質問です。質問の内容は「あなた自身がPATMにかかわりがあると思う食生活について教えてください。」というものです。

 回答の内容は以下のようなものでした。

「全く見当がつかないです。 普段は野菜や発酵食品を多めにして健康に気をつけている方です。」

「辛いものを食べたりにんにくや油物形は反応されることが多くなると思う」

「私の場合は、食生活はあまり関係ないですが、乳製品を摂るとお腹がゴロゴロします。」

「砂糖を摂取すると反応が多い気がしていましたが思い込みであるかもしれないと最近思い始めたところです。」

「小麦粉、乳製品」

「油をオメガ6からオメガ3に変える」

「炭水化物」

「栄養不足」

「脂物」

「添加物。化学物質が関係ありそう。」

「コーヒー等、カフェインの摂取」

「乳製品ばかり摂る。」

「ベーコン、チーズ、ウインナー」

「添加物の多い食品 カップ麺、冷凍食品など」

「インスタント食品、砂糖(お菓子)の摂取」

「添加物や油の多い食品(ジャンクフード等)や白米を食べた後は反応が増えるか気がします」

「小麦を多く摂った食生活」

グルテン、砂糖、添加物」

「発症前は、毎朝高カロリーな菓子パンを食べていましたが、それ以外は健康な食生活でした。運動部に所属していて、野菜もよく摂っていて、不健康とは無縁な状態でした。小麦粉(パン、かりんとうなど)を摂ると症状が悪化するような感じがしますが、本当に食事が原因なのかは分かりません。」

「ジャンクフード、辛い料理、お菓子の食べ過ぎ」

「小麦粉」

「小麦、インスタント麺」

「発酵食品」

「暴飲暴食」

「小麦を摂り入れる時。(イースト菌カンジダの関係で)」

「よく噛まない」

「patmは真菌が原因ではないかと思っているので、真菌を含む食事、つまり発酵物が良くないのではないかと思っている。」

「夜白ご飯を食べなかったら次の日胃もたれみたいな感覚がなくなります。食べ過ぎもpatmに関わってるような気がします。」

「量を食べることが出来ないこと、偏りがあること」

「小麦粉を使った食べ物は症状が出やすくなる様な気がします。」

「砂糖や小麦粉を摂ると反応が増える気がします。」

「豚バラ肉」

マクドナルド」

「納豆、ニンニクなど匂いの強いもの」

 

 よくみられる意見としてみられるのは「小麦(グルテン)」「砂糖」「発酵食品」「乳製品」「辛い物」といった内容でした。

 

 以上が今回の予備調査におけるアンケート結果です。今後はこちらから本調査をするアンケートを作成するために、仮説を作成していきたいと思います。今後ともご協力をよろしくお願いいたします。